政権交代以来、なにやら7.1兆円の財源確保のために、補正予算がものの見事に削減されている。
流行り言葉は「無駄」である。
一旦執行を決めた予算がいとも簡単に執行停止されることは、国という政策の最高決定機関の立場そのものが崩壊していることであり、個人的には非常に違和感を感じる。
やはり国≒霞ヶ関は我々にとって畏れ多い存在であり続けていただきたいのだか、国民の皆さんはどのように感じているのであろうか・・・・・・・・。
さて、前原国土交通大臣が就任した。多分、優秀な方である。
公共事業費の大幅削減の方針をお示しされている。
悪い話ばかりの公共事業費であるが、今までどのように推移してきたかは、あまり一般の方には知られていない。
国総研が取りまとめたデータによると、平成20年度の政府系公共投資額は16.7兆円である。
ピークは平成7年の35.2兆円であるので、ピーク比47%となっている。
16.7兆円という投資水準は昭和52年の水準と同等であり、実に約30年前の水準になったということである。
日本が経済成長してきた過程で、投資水準が30年前にまで落ち込んでいる産業部門はあまり無いと思う。
30年前といえば私は小学校5年生。その当時、NIXは社員3名で創業したばかりである。
GDPに占める公共投資額も欧米諸国並みに落ち込んでいる。(日本は地形により建設費がかかるため、実質は欧米諸国以下といえよう)
これだけ落ち込んでいる公共投資を、さらに!大幅に減らすというのだから、今でも大雨の建設業界は、暴風雨に核爆弾を落とされたような状況になるであろう。
公共投資は無駄ばかりではなく、国力の源泉である。
現在の経済発展は高度成長期から整備してきた公共インフラなくしてはなしえなかったことを国民は忘れてしまって・・・・いや、知らないのであろう。
公共事業の本質、土木技術のこと、政治に振り回されずに寡黙に日々技術研鑽に努めている土木技術者がいること、そのようなことを堂々と伝えることができる政治家が早く出てきてほしい。
少なくとも国土交通大臣は文系(前原大臣は法学部らしい)ではなく、理系の人間が就任してほしい(できれば土木工学科卒)・・・・と思う今日この頃である。
されど我々NIXは、社会情勢の変化に振り回されず、日々精進するしかないのである。
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