社長ブログ

社長ブログ

社長ブログ

富山におけるサッカースタジアム整備のケーススタディ①

1.はじめに
近年、全国各地でスタジアム・アリーナ構想が立案され、検討が進められています。この理由の一つとして、地域プロスポーツが地域活性化の重要な要素として注目されていることが挙げられます。本稿では、特に整備要望が高いサッカースタジアムに関して、最近の動向と富山における整備の方向性について、科学的な観点からも考察します。
 現在のサッカースタジアム整備の主なトレンドは以下の二つです:
・専用スタジアム化(陸上トラックがないことで、観客とピッチの距離が縮まり試合の臨場感が増します)
・多機能複合機能化(市中心部に立地することで、試合がない時期も施設を有効活用し、収益化を図ります)
専用スタジアム化によって、観客は選手の動きをより間近で感じることができ、スポーツとしての魅力と付加価値が増大します。また、多機能複合化および市中心部への立地は、スタジアムの経済性を向上させるだけでなく、付随する都市機能が周辺地域の活性化に寄与し、公共交通の活性化にも貢献する可能性があります(図-1)。
一方、日本の多くの地方都市では、サッカースタジアムが郊外で整備されるケースが多く、国体開催時に建設された陸上トラック主体の多目的スタジアムを使用しています。これにより、多くのプロサッカーチームが上述した二つの要素を兼ね備えていない施設をホームとして使用しています。だだし、少数ながら市街地に整備されたサッカー専用スタジアムも存在します。

図-1 スタジアムとまちなかの関係

2.近年の整備事例
このような状況の中で、最近整備された広島スタジアムや長崎スタジアムシティは、その立地から、市中心部に位置するまちなかスタジアムとして評価されています。

図-2 長崎スタジアムシティ                   

特に、長崎スタジアムシティは新幹線長崎駅から徒歩10分の地点に位置し、スタジアム、アリーナ、ホテル、コンベンション施設、オフィスビル、商業施設を含む多機能複合型スタジアムです。この施設は地元民間企業であるジャパネットたかたが総事業費1,000億円を投じて建設、及び、運営を行っています。都市インフラとサッカー専用スタジアムの一体型整備は世界的にも珍しい例で、長崎の成功は今後のスタジアム整備に大きな影響を与えると予想されます。
さらに、ジャパネットたかたが連結総売上高2,600億円の中から自己資金で1,000億円を投じた背景には、このモデルが収益性が高く持続可能であるとの見込みがあり、長崎スタジアムシティが将来的に地方のスタジアム整備の模範とされる可能性が高いと考えています。

Contact

NiX JAPAN 株式会社 | NiX 管理本部 経営企画管理グループ

〒930-0857
富山県富山市奥田新町1番23号
TEL.076-464-6520 FAX.076-464-6671
info@nix-japan.co.jp