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富山型フロントローディング都市経営による企業行動の変容 その2

富山型フロントローディング都市経営による企業行動の変容

【富山型都市経営による意識変容】

私はこのような変化には、プロセスがあると考えています。富山型フロントローディング、すなわち、行政主導による都市の質を高める先端技術活用計画とインフラ整備とその効果により、富山市に対する外部評価が高まります。いわゆる地方都市再生のモデルの一つであるという評価です。実際に、実に多くの行政や政財界関関係者が視察に訪れており、外部評価が高まっていることを示しています。このような評価や様々な変化に対する実感により、次第に市民や企業の意識が変容し、政策に対する信頼感と自信が生まれてきています。このような意識変容を通じて、行政と民間の都市課題に対する意識の共有がおこり、そのことか、特に企業側の投資行動に結びついている段階であると考えています。駅周辺や中心市街地再開発への投資やマンション建設、飲食店や映画館等が挙げられます。また当社NiX JAPANに至っては、本社社屋を郊外から駅周辺に移転するといった投資行動を行いました。これは、当社自身が行政の施策によって意識変容をおこし、それが最終的に行動変容に結びつた結果であります。

 

図 富山型都市経営による意識の変容
図 富山型都市経営による意識の変容
図 良質な都市経営による企業価値向上の仮説
図 良質な都市経営による企業価値向上の仮説

 

【土木のちからの一つのモデルとして】

このような意識の変容や行動の変容が、最終的にはそこにいる企業の価値も向上させると考えています。すなわち、行政による計画技術を重視した政策により、その「都市」の魅力が高まり、様々な外部評価等の情報により企業の意識変容が起こり、その価値や経営の質が高まり、継続的に都市の持続可能性に寄与するようになる、といった仮説をたてています。「中心市街地集中投資」、「公共交通政策」、「人口誘導政策」を入力とし、それが「税収」、「知名度向上」、「シビックプライドの向上」といった媒介する効果により、最終的には「事業投資」、「人材流入」、「企業の価値や業績」につながるというモデルがあるように感じています。また「北陸から問う、土木のちから」の一つのモデルとも言えます。

私はこのモデルを自身の会社の社員の行動変容や業績の変動を通じて調査したいと考えています。そのために社屋を駅周辺に移転したのです。具体的には会社の場所や通勤手段や住む場所が変わることで、社員の意識にどのような変化が出るのか、またその変化が企業業績にどのように結びつくのかといった内容です。そしてモデルを実証することで、持続可能なまちづくりに、「土木のちから」が貢献している様を明らかにする、そして多くの企業の行動変容がこの「とやま」から生まれる、そんな結果が出ることを楽しみにしています。

 

 

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