全国には約73万の道路橋があり、これらの橋梁も人と同じように高齢化しています。建設後50年を経過した橋の割合は32%を超えており、適切な維持管理と長寿命化を図り、ライフサイクルコストを低減することが我が国において重要な課題となっています。弊社では、次世代橋梁維持管理に関する新技術や点検合理化、包括民間委託などの事業スキームについて、産学官共同研究を行っています。
IoTを活用したモニタリングによる点検等の維持管理の効率化が期待されています。鋼橋のなかで橋数が多い鈑桁橋において、モニタリングにより、①部材の健全性診断の支援が可能か、②突発的な事象の把握が可能かを検証するために、鈑桁橋において長期モニタリングを実施しました。 モニタリング項目は、主桁のたわみ(加速度センサー)、主桁端部・支承・床版の損傷(IoTカメラ)、支承の機能障害(加速度センサー)です。大型車の通行検知(赤外線センサー)も行っています。
橋梁維持管理は、法令点検の2巡目が終わり、3巡目に入る段階で、これまでに多くの課題が浮かび上がっています。研究は、点検を合理的に実施することにより、固定費化している点検費を圧縮し、必要な措置(補修)に適切に充てることを目指しました。 その成果として、高岡市に橋梁定期点検ガイドラインを提示しました。 このガイドラインは、国土交通省の道路橋定期点検要領を遵守しながら、従来の方法にとらわれず、点検において本質的に必要な情報を取得・記録する方法を横浜国大の細田先生と策定しております。