NiXグループの成長事業ドメインの一つである「エネルギー・海外事業」において、日本で 培った水力・太陽光発電技術を活かし、インドネシアにおいても水力発電、太陽光発電事業、EV ビジネスといったエネルギー事業を推進しています。 また新たに投資事業であるLPG充填販売事業、キャッシュマネジメント事業、セラミック事業等も推進しています。 今後もインドネシアにおいてエネルギー事業の開発を強化することで、インドネシア・日本両国の脱炭素化社会の実現に向け貢献し、サスティナブルな社会に必要とされる企業になるよう取組んでまいります。
2019年4月にインドネシアでの水力発電、太陽光発電等のエネルギー事業を主要事業としたインドネシア現地法人PT. NiX Indonesia Consulting を設立いたしました。水力発電の設計、土木施設の施工経験の豊富なインドネシア人技術者が在籍しており、自社水力発電事業においてはオーナーズエンジニアリングとして、3D、4DなどのBIM/CIM技術を取り入れ、高品質なプロジェクト管理を実施しています。
また、インドネシアでの長年の事業展開により、事業投資情報も増加し、新たな成長の柱とするために、NiXグループ100%資本で、2023年1月にインドネシアを中心に事業投資及び投資アドバイザリー事業を行う現地法人PT. NiX Capital Indonesia を設立しました。インドネシアの著しい経済成長を背景に、投資パイプラインを多数保有しており、NiXグループが保有する「技術・資金・人材」とこれまでの投資実績を基に、順次投資を実施しています。
エネルギー事業のエンジニアリングを主要事業としているPT. NiX Indonesia Consultingと投資事業を主要事業としているPT. NiX Capital Indonesiaが協働し、グループの強みである投資と技術を背景に、今後もインドネシアでの事業拡大及びNiXグループの企業価値向上の促進に努めてまいります。
トンガル水力発電所(6,200kW)は、スマトラ島の西スマトラ州西パサマン県パダン市から約200kmの地点、トンガル川流域に位置し、2023年11月より商業運転を開始しました。稼働後も発電想定対比を上回る発電を続けており、海外事業ながら安定稼働しています。
年間売電量は38.73GWhで、インドネシアの一般家庭約46,000軒分となり、今後25年間、発電した電力をインドネシア国営電力会社PT.PLN(以下、PLN)へ売電します。
トンガル水力発電事業はグループ会社である特別目的会社の PT. Optima Tirta Energy(以下、OTE)を事業主体として実施しており、NiXグループが取り組む海外水力発電事業では初めての自社水力発電所となります。またインドネシアにおいて日本企業がマジョリティの立場で自社水力発電所を開発した大変珍しいケースとなります。現在、OTE では発電所常駐社員として現地人材を採用しており、25名体制で発電所の運営・管理を行っています。
本事業は、各種権利取得やPLNとの売電契約締結など、2013年以来インドネシア企業単独で開発を進めておりましたが、技術面や資金面での問題から、プロジェクトが行き詰まっていた中、NiXグループのインドネシア現地法人PT. NiX Indonesia Consulting 及びNiX JAPANによる技術最適化及びプロジェクト資金支援を経て、問題を解消し、事業化した案件となります。
2016年11月にインドネシア企業と合弁で PT. Lebong Sukses Energi を設立し、インドネシアブングル州でケタウン水力発電所(13,000kW)の開発を始め、2019年3月には、本プロジェクトがインドネシア国営電力会社のPT. PL NのDPT審査(電力供給業者資格審査)を通過しました。今後は電力供給会社として、PPA(売電契約)締結の交渉を行い、建設工事へと進んでいく予定です。
本発電所は流れ込み式の発電所で、最大出力は13, 000kW、落差41.7m、最大取水量は36 m3/sです。
年間推定発電量は86.4GWhで、インドネシアの家庭10万世帯分となる予定です。
取水堰の長さは52.2m、高さは河床から5mです。堆積した土砂や石を輩出するために幅1.90mの土砂吐きが2か所設けられています。
取水口には幅2.75m、高さ3mの4つのゲートがあり、機械的に操作することができます。水は取水口から取り込まれ、長さ106mの水路を通って沈砂池に流れます。
ヘッドタンクは水圧鉄管の直前に設置されます。この施設から安定して設計流量を水圧鉄管に供給することで安定した発電出力が得られます。
発電所はケタウン川の右岸に配置されます。発電所の長さは45m、幅は23mで、2つの同出力の水平軸フランシス水車、発電機、フライホイール、コントロールルーム、などを収容できます。発電所の構造はコンクリート構造となります。スイッチヤードは発電所の裏側にあります。
ニックスニューエネルギー株式会社を通じ、アラムポート株式会社(東京都千代田区)と共同でシンガポールに合弁会社「ALAM NIX RENEWABLES PTE LTD」を設立し、インドネシア共和国における工場向け屋根置き太陽光発電(第三者所有モデル)事業に参入しました。
屋根置き太陽光発電(第三者所有モデル)事業は、電力事業者が顧客の施設の屋根や敷地等に太陽光発電システムを無償で設置・運用し、顧客は発電した電気を購入し、事業者へ使用料を支払うビジネスモデルです。顧客側は初期費用やメンテナンス管理の負担を軽減でき、安価で環境価値の高いクリーンな再生可能エネルギー電源を利用することが可能になり、新たな電力供給方法として近年注目されています。
本事業は2021年9月にインドネシア上場企業である製薬工場向けの第1号案件1,700kWを皮切りに、日系工場向け中心に事業拡大しており、現在、契約済を含め約25,000kWのアセット規模まで成長しています。今後、数年間で50,000kW相当を目標として、事業展開していきます。
インドネシアにおける同スキームの主要プレイヤーを目指し、再生可能エネルギーを普及させることでインドネシアのカーボンニュートラルにも貢献していきたいと考えています。
インドネシアでは、人口増加と⼀般家庭の灯油の使用をLPガスに転換するインドネシア政府のプログラムにより、LPガスの消費量は年々着実に伸びてきています。
その一方、国内に多くを占めるLPガスの中には低品質のものや記載の容量と実際の容量が異なる商品も多く出回っており、高品質、正確な充填量のLPガス商品の需要が高まっています。
本事業は、マジョリティの立場でインドネシアのLPガスプラントを保有・運営するインドネシアパートナー企業とNCIを通じてPT. Arsynergy NiX Indonesiaを2023年3月に共同設立し、スラバヤのグレシック工業団地にガス充填工場を建設、2024年4月より充填販売を開始しました。
東ジャワのJABODETABEKエリアを中心に一部直販と20社以上の販売代理店を通し販売しており、年間売上20億円程度を目指して商圏を拡大しています。
本事業の特徴として、「正確さ」を掲げ、以下の点で既存の事業者と差別化を図っています。
強い需要を背景に事業は順調に進む見通しであり、早期に売上目標達成を目指します。
第2フェーズでは、日本のLPガス事業者や関連メーカーとの連携を視野に入れ、さらなる事業拡大、テクノロジーの強化を計画しています。
インドネシア マカッサルで電動二輪車の販売レンタル・バッテリーステーション運営事業を推進するGREEN POWER MANAGEMENTの株式20%を取得し、資本参画しています。傘下の事業会社であるPT. Santomo Green Power Managementの統括を行い、BAAS(Battery as a Service)事業を推進しています。
インドネシアは東南アジア最大の二輪車市場であり、脱炭素化の実現に向けて政府が積極的に電動化の普及を促進している背景もあり、すでにマカッサルで400台を超える電動二輪車を販売・レンタルし、60基を超えるバッテリーステーション網も構築しています。
バッテリー交換式電動バイクは、環境面だけではなく、約9秒でバッテリー交換ができる利便性やガソリンバイクよりランニングコストが約50%減となり、経済性・利便性・環境負荷低減を同時に実現することができ、今後、ガソリンバイクからの転換が徐々に図られていくことが推測されます。
日本企業の海外へのビジネス展開、及び現地の未電化地域の電力不足の解消を目的とし、当社は本事業に外部人材として参画しました。富山市・富山市内企業と連携し、バリ島タバナン県に既存の用水路網を利用した用水路対応型小水力発電システムとして水車4基を設置しました。また、自立的に維持管理可能な運営を行うため地域住民へ技術研修を行い、他地域への展開を図るため、持続的に活用できる普及導入モデルを提案しました。