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ICT技術の活用

ENGINEER’S VOICE Vol.17

ICT技術の活用

ICT技術を駆使した
BIM/CIM活用への三次元点群測量の提案

表彰業務の概要を聞かせて下さい


発注者:国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦河川事務所
業務名:R2霞ケ浦管内堤防測量
業務概要:霞ケ浦河川事務所管内で計画している築堤・護岸の設計に必要な測量を実施する
業務数量:3級基準点測量 34点
・4級基準点測量 123点
・三次元点群測量(UAV写真測量)0.18Km2
・河川深浅測量 86測線
事務所長表彰
優良工事等優良業務及び優秀技術者(BIM/CIM活用業務)



Q:表彰理由を聞かせて下さい

①三次元点群測量は、当初UAV写真測量の仕様でしたが、現地状況を踏まえ、計測には地上レーザスキャナー(以下「TLS」という)を用いた三次元点群測量を提案し、発注者の承諾を得て実施しました。TLSを使用することで現地補足が軽減され工期短縮に繋がり、後続作業の設計業務(BIM/CIM)対応として評価されました。

②河川深浅測量では、ロッドを用いた直接測定に変えて、湖底を面的に三次元データ取得できるインターフェロメトリを用いて計測することを提案し、発注者の承諾を得て実施しました。陸部(TLS)と湖底部(インターフェロメトリ)の三次元データを合成させた成果を提出しました。

三次元画像

③使用頻度が高い成果を抜粋した閲覧システム(アプリケーション)を納品しました。また発注者は納品された三次元データを取扱えないためビュワーソフト(簡易システム)で確認できるよう合わせて納品しました。

Q:この業務の課題はどのようなものでしたか?

霞ヶ浦管内の堤防敷は、草木が生茂っておりUAV写真測量では、護岸構造物や地表面の詳細データが取得できず、観測精度は規程を満たさない状況でした。また調査期間中は、霞ケ浦特有の強風が吹くためUAVの飛行に適さない状況が続き、調査箇所数も多いことから工程が遅れ気味になる課題がありました。

Q:課題に対して、どのような提案を行いましたか?

現地状況や気象状況を考慮し、UAVと比較して安全且つ精度確保のためTLSを用いて、3次元点群測量を提案しました。点群データ編集では、TLSにて取得したデータとTSによるデータを比較し精度検証を行いました。また、補備データを反映して、より正確な数値標高モデルを作成しました。
その他、水中部の構造物劣化状況を水中ドローンを用いて撮影することを提案して実施しました。

Q:最後に、提案方法の成果等を聞かせて下さい

今後、設計業務(BIM/CIM)との連携を図り、あらゆる三次元計測機器を駆使して要望に沿った点群データの提供に努めていきます。また設計の必要詳細度に応じた地図情報レベルと点群密度を考慮した配点と不可視部分を完全に満たす三次元点群測量を実施する予定です。
NiXグループでは、「点群処理/解析センター」を完備しており、高精度な処理・解析や工期短縮に繋げるよう日々技術力向上を図るなど、お客様の期待に添えるよう努めています。

木村 海斗 きむら かいと

平成11年生まれ、茨城県神栖市在住。
中央工学校測量課卒。

建設コンサルタントに従事して5年。これまで道路、河川測量等に従事。近年ではUAV等による3次元測量に取り組み、技術の幅を広げ、技術力の向上を目指す。

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