当社では成長エンジン事業として、日本で培った水力発電技術を活かし、海外でも水力発電事業及びコンサルティング事業を行っています。
JETRO(経済産業省)、JICA(外務省)、環境省の支援、並びに富山市が「環境未来都市」普及展開の施策を行っている都市間連携協定をベースに支援を受けながら、再生可能エネルギーの海外展開を図っています。
当社の海外事業は、2016年11月にインドネシア企業と合弁で PT.Lebong Sukses Energi を設立し、インドネシアブングル州での水力発電所(13,000kW)の開発を始め、2019年 4月には、開発・技術検討・施工管理等、海外水力発電事業の体制を強化するため、インドネシアジャカルタに現地法人PT. NiX Indonesia Consulting を設立しております。また2019年11月には2号目の海外自社水力発電事業としてPT. Optima Tirta Energy を設立し、インドネシア西スマトラ州での水力発電所(6,200kW)の施工に取り組んでおります。
そして、海外事業の統括拠点であるNiX Holdings Singapore Pte.,Ltdを通して、再生可能エネルギーの導入に向け、他の東南アジア地域への事業展開も視野に入れ、案件の発掘を行っています。
人材についても、現地法人所属のインドネシア人技術者の他、日本本社でも新卒の外国人エンジニアを定期的に採用しており、今後もグループとして更なる海外事業展開を図っていきます。今後も水力を中心とした再生可能なエネルギーの電源開発を強化することにより、当該国の経済成長や持続可能な環境整備へ寄与したいと考えます。
トンガル水力発電開発
2019年11月に、NiXグループのNiX Holdings Singapore.,LTD ( シンガポール持株会社 )を通し、事業主体であるPT. OptimaTirta Energy社の株式を取得し、現在は、マジョリティとして施工に取り組んでおります。
本事業では、再設計・エンジニアリングを行ったNiX現地法人を中心とし、NiXグループが工事施工監理を行うことで事業費削減及びリスク低減を図ります。
プロジェクト名 | Tongar Hydro Power Project | 事業主体 | SPC(PT. Optima Tirta Energy)) |
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出資 | NiX Holdings Singapore., LTD | 事業用地 | インドネシア西スマトラ州 西パサマン県 |
最大使用流量 | 16.0m3/s | 有効落差 | 44.4m |
発電出力 | 6,200kW | 水車形式 | 横軸フランシス型水車×2基 |
年間発生電力量 | 38.7GWh(インドネシア一般家庭46,000軒分) | オフテイカー | PT. PLN(インドネシア国営電力会社) |
売電期間 | 25年間(FIT: 固定買取契約) | 技術コンサルタント | NiX JAPAN 株式会社、NiX Indonesia Consulting |
取水堰と取水口は、計画発電出力を発生させるのに十分な量の水を取水するように計画されています。
取水堰の長さは49m、高さは河床から4mです。堆積した土砂や石を排出するために幅2mの土砂吐きが2か所設けられています。
取水口には幅1.5m高さ6.5mの4つのゲートがあり、機械的に操作することができます。水は取水口から取り込まれ、長さ56.8mの水路を通って沈砂地に流れます。
沈砂地は取水した水から石や岩を取り除くために計画されています。沈砂地の長さは60m、高さは4.5m、幅は14mで、2つのセクションに分かれています。水路の幅を広げることで水の流速が遅くなり、石や岩が沈砂地の底に堆積します。これらの堆積物は、沈砂地の端にある排水路によって河川に除去されます。
導水路は沈砂地とヘッドタンクをつないでおり、発電に必要な水量をヘッドタンクに送ることができます。水路の長さは3275m、幅は9.12m、高さは2.56mとなります。
ヘッドタンクは⽔圧鉄管の直前に設置されます。この施設から安定して設計流量を⽔圧鉄管に供給することで安定した発電出⼒が得られます。⻑さは40m、幅は12m、⾼さは8.43mとなります。
水圧鉄管は、発電に十分な水量を発電所に送る鉄管であり、内水圧に十分耐えられる構造となっています。水圧鉄管は地表に設置され、アンカーブロックで固定されています。1系統の水圧鉄管があり、各系統は16m3/s。水圧鉄管の長さは99.28mで、内径は2800mmとなります
発電所はトンガル川の右岸に配置されます。発電所の長さは32m幅は17mで、2つの同出力の水平軸をフランシス水車、発電機、コントロールルーム、などを収容できます。発電所の構造はコンクリート構造となります。
ケタウン水力発電所
2016 年 11 月にインドネシア企業と合弁で PT.Lebong Sukses Energi を設立し、 イン ドネシアブングル州での水力発電所 (13,000kW) の開発を始め、2019年3月には、本プロジェクトがインドネシア国営電力会社のPT. PLNのDPT審査(電力供給業者資格審査)を通過しました。
今後は電力供給会社として、PPA(売電契約)締結の交渉を行い、建設工事へと進んでいく予定です。
プロジェクト名 | Ketaun Hyrdo Power Project | 事業主体 | SPC(PT. Lebong Sukses Energi) |
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出資 | NiX Holdings Singapore., LTD | 事業用地 | インドネシアブンクル州 レボン県 |
最大使用流量 | 36.0m3/s | 有効落差 | 41.7m |
発電出力 | 13,000kW | 水車形式 | 横軸フランシス型水車×2基 |
年間発生電力量 | 86.4GWh(インドネシア一般家庭100,000軒分) | オフテイカー | PT. PLN(インドネシア国営電力会社) |
売電期間 | 30年間(FIT: 固定買取契約) | 技術コンサルタント | NiX JAPAN 株式会社、NiX Indonesia Consulting |
取水堰と取水口は、計画発電出力を発生させるのに十分な量の水を取水するように計画されています。取水堰の長さは52.2m、高さは河床から5mです。堆積した土砂や石を輩出するために幅1.90mの土砂吐きが2か所設けられています。
取水口には幅2.75m、高さ3mの4つのゲートがあり、機械的に操作することができます。水は取水口から取り込まれ、長さ106mの水路を通って沈砂池に流れます。
水圧鉄管は、発電に十分な水量を発電所に送る鋼管であり、内水圧に十分耐えられる構造となっております。水圧鉄管は地表に設置され、アンカーブロックで固定されています。 2 系統の水圧鉄管があり、各系統は18㎥/s 、合計で36㎥ / s を送水可能です。 水圧鉄管の長さは336.4mで、内径は2600mm となります。
発電所はKetaun川の右岸に配置されます。発電所の長さは45m、幅は23mで、2つの同出力の水平軸フランシス水車、発電機、フライホイール、コントロールルーム、などを収容できます。発電所の構造はコンクリート構造となります。スイッチヤードは発電所の裏側にあります。
建設機械が川を渡れるように橋を設置します。橋の延長は41m で、ピアは一つとなります。橋は発電所建設後も残し、地元民に使用してもらう予定です。
放水路は発電を終えた水をKetaun川へ戻す役割があり、その長さ956 m、幅6.6m、高さ3.4mとなります。
ヘッドタンクは水圧鉄管の直前に設置されます。この施設から安定して設計流量を水圧鉄管に供給することで安定した発電出力が得られます。
水路は沈砂地とヘッドタンクをつないでおり、発電に必要な水量をヘッドタンクに送ることができます。水路の長さは955m、幅は5.7m、高さは4.0mとなります。
沈砂池は取水した水から石や岩を取り除くために計画されています。沈砂池の長さは116m、高さは4.5m、幅は14mで、2つのセクションに分かれています。水路の幅を広げることで水の流速が遅くなり、石や岩が沈砂池の底に堆積します。これらの堆積物は、沈砂池の幅にある排水路によって河川に除去されます。
「中小企業展開支援事業~案件化調査、普及実証事業~」
2017年11月水車設置完成
設置した街灯