平沢川小水力発電所は、石川県土木部砂防課が「エネルギーの地産地消」「砂防堰堤周辺の環境向上」「県有施設の有効活用」という3つの方針を掲げ、民間の発電事業者を公募した事業で、今後20年間にわたる運営・管理を実施していきます。公共施設である砂防堰堤の活用と民間資金活用による小水力発電事業は、石川県内では初めての取り組みであり、その形態は全国的にも先進的な事業です。
本小水力発電事業は、株式会社柿本商会とNiX JAPAN 株式会社が共同で出資して、平沢川小水力発電株式会社を設立し、資金調達・設計・建設・管理・運営をトータルに行います。
所在地 | 石川県金沢市中戸町地内 | |
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出力 | 198kW | |
稼働開始 | 平成27年5月7日 | |
想定年間発生電力量 | 約976MWh(一般家庭約270世帯分に相当) | |
落差 | 有効落差:17.17m | |
水量 | 最大使用水量:1.5m3/s | |
面積 | 流域面積:10.8km2 | |
設備 | 水車 | S型チューブラ水車 |
発電機 | 横軸三相誘導発電機 | |
水圧管路 | 直径800mm |
平沢川砂防堰堤は、金沢市を流れる二級河川犀川水系の支川内川に合流する平沢川上流0.2kmに位置し、流域面積約10.8km2を有する砂防堰堤で、昭和57年に石川県により建設されました。平沢川小水力発電所では、この砂防堰堤の落差を利用して発電を行います。
右岸側本堤の貯水側に取水設備を新規に設け、そこから堤体削孔により設置した直径800mmの導水管を堤体前面に沿ってほぼ垂直に落とした後、延長約73mの埋設区間を経て、垂直壁袖部を通過後に発電所を配置しています。
発電所内には、水車発電機を1台設置し、最大出力198kWの発電を行った後、放水路を経て砂防堰堤副堤から30m下流の右岸に放流しています。
発電所の電気・機械制御は、発電所内の動力制御盤・計測監視盤により水位観測、流量・圧力等の観測を行いながら取水口・放水口ゲート操作、発電機操作・弁操作を行っており、これらの操作・監視は、Web監視システムによる遠隔監視を行います。
このWeb監視システムにより、24時間運転管理を行っています。運転状況の確認や設備の不具合を早期に発見し、迅速な施設の保全が可能です。また、運転管理日報を自動作成し、事務作業の軽減を図っています。